あらすじ�T

「おかーさん　ポメラニアン買って」 これは小さい頃毎日のように母にお願いしていた言葉である。 決まって母はこう言う。 「うちは団地だから無理だって言ってるでしょう分かんない子だね！！」 そう。わかんない子だった。 フサフサした動物がどうしても飼いたかった。 親父の稼ぎが悪いせいだとも言い放っていた。 見兼ねた母は 「ハムスターなら飼えるから」（いや団地で生き物禁止だけど） と言ったので、さっそく友達から ジャンガリアンという種類のハムスターを ２匹譲ってもらった。 それから１２匹に増え、 これでは飼いきれんと里親募集することになった。 内心「フサフサしてねーよ」と文句たれていた。 それから数年がたち、私は社会人になった。 日頃のストレスを感じていた私は もう１度動物を飼いたくなった。 といっても高収入なわけではないので なるべくは安く手に入れたかった。 ポメラニアンを。 適当にネットサーフィンしてみる。 「里親募集なら無料で手に入るな」 なんて思いながら探していると 「うさぎ里親募集」というページに入ってしまった。 無論うさぎなんて興味なかった。 「ネザーランドドワーフ」「アメリカンファジーロップ」 わけのわからない言葉だらけだ。 写真もついていた。 子うさぎだった。 わたしは 一目惚れした。

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